国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H29年 問37解説

 問 題     

硫黄を空気中で燃焼させて SO2 とし、さらに、触媒により酸化させて SO3 を得て、これを水に吸収させることにより硫酸を連続的に製造するプロセスを考える。このプロセスの反応式は次のようになる。

2S+3O2 → 2SO3
SO3+ H2O → H2SO4

製品として 98 wt % の硫酸を製造するため、硫黄を 180 kmol・h-1 で供給したとき、必要な水の量はおよそいくらか。ただし、硫酸の分子量を 98、水の分子量を 18 とする。

1. 20 kmol・h-1
2. 90 kmol・h-1
3. 180 kmol・h-1
4. 200 kmol・h-1
5. 270 kmol・h-1

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

上の化学式を見ると、S 1mol から SO3 1mol ができています。そして、SO3 1 mol と 水 1 mol で 硫酸 1mol ができています。従って、H2SO4 生成のために必要な水は、硫黄を 180kmol・h-1 で供給すれば、180kmol・h-1 です。

そして、製品として製造するのは 98 wt% の硫酸です。重さ 2% 分の水が更に供給される必要があります。具体的に 1 時間あたりで考えてみます。1 時間に 180kmol の硫酸ができると、これを重量の 98% とすれば、1% は硫酸 1.8k mol です。全体は 100% なので、2% つまり、硫酸 3.6k mol 分の重さを有する水が、更に必要です。

硫酸:水の分子量の比が大体5:1なので、大体 3.6k × 5 = 18k mol 分の水を加えればよいです。180 + 18 ≒ 200 です。

以上より、正解は 4 です。

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