国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H29年 問2解説

 問 題     

図Ⅰのような、上端に台が水平に取り付けられ、下端が床に固定されたばねがあり、台は図Ⅰの状態で静止していた。この台の上に質量 m の物体を静かに載せたところ、図Ⅱのように、台が a だけ下がって静止した。

ここで、図Ⅲのように、更にa だけ台を押し下げて、物体を載せたまま静かに放した。図Ⅲの状態から、台が図Ⅰの位置まで上がったときの物体の速さとして最も妥当なのはどれか。ただし、台は鉛直方向のみに動き、ばね及び台の質量は無視でき、空気抵抗はないものとする。また、重力加速度の大きさをg とする。

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

重力による位置エネルギー U重力 = mgh、ばねによる位置エネルギー Uばね = kx2/2、運動エネルギー K = mv2/2 です。

フックの法則 F = kx です。図Ⅱから、mg = ka なので、k=mg/a とわかります。

ばねによる位置エネルギーは、自然長が基準なので、ばねの自然長の高さを基準とします。図Ⅰ~Ⅲについて、それぞれのエネルギーについてまとめると、下図のようになります。

図 Ⅲ の状態で、全エネルギーの和が 0 です。これで指を離して図Ⅰの所までいくと、U重力も Uばねも 0 なので、K も 0 のはずです。つまり、v = 0 です。

以上より、正解は 1 です。

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