国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H28年 問75解説

 問 題     

原核細胞の翻訳開始に関する次の記述の㋐、㋑、㋒に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「mRNA に転写された遺伝情報を読み取って、リボソーム上でタンパク質の生合成を行う過程を翻訳という。大腸菌の場合、mRNA 中の㋐配列の位置でリボソームの㋑が結合し、最終的に70S 開始複合体が形成されて情報の読み取りが開始される。開始コドンに対応する開始tRNA に結合するメチオニンは、他のtRNA に結合するメチオニンと異なり㋒されている。」

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

原核生物の mRNA において、開始コドンの上流に見られる共通配列を、「シャイン・ダルガノボックス、(SD配列)」といいます。この部分にまず 「30S」 サブユニットが結合します。開始コドンに対応する開始 tRNA に結合するメチオニンは「ホルミル化」されています。

ちなみに、コザック配列(Kozak sequence)は、真核生物の mRNA に出現する、厳密ではない共通配列です。主に翻訳の開始に関与しているとされています。

以上より、正解は 1 です。

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