国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H28年 問47解説

 問 題     

抗アレルギー薬に関する記述㋐〜㋔のうち妥当なもののみを挙げているのはどれか。

㋐ クロモグリク酸は、肥満細胞からの IgE 抗体依存的なヒスタミンなどの遊離を抑制する作用をもち、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎に使用される。
㋑ 抗ヒスタミン薬(H1 受容体拮抗薬)の中でもメキタジンやエピナスチンは脂溶性が高く、血液脳関門を通過しやすいため鎮静作用が強い。
㋒ オザグレルはトロンボキサン A2 受容体に結合し、トロンボキサン A2 と競合的に拮抗することで気道過敏性を抑制することから、気管支喘息治療薬として使用されている。
㋓ プランルカストは、ロイコトリエン受容体拮抗作用をもち、気管支喘息だけでなくアレルギー性鼻炎の治療にも使用される。
㋔ スプラタストは、Th2 から遊離される ILー4 や ILー5 の産生を抑制する作用をもち、IgE  抗体産生を低下させ、抗アレルギー作用を示す。

1.㋐、㋑、㋒
2.㋐、㋒、㋔
3.㋐、㋓、㋔
4.㋑、㋒、㋓
5.㋑、㋓、㋔

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

㋐ は妥当な記述です。代表的ケミカルメディエーター遊離抑制薬です。

㋑ ですが
メキタジンやエピナスチンは、第2世代抗ヒスタミン剤です。特にエピナスチンなどは、血液脳関門を通過しづらいため、眠気があまりおきないという特徴を有します。よって、㋑ は誤りです。

㋒ ですが
オザグレルはトロンボキサン「合成酵素阻害薬」です。受容体遮断薬では、ありません。よって、㋒ は誤りです。

㋓、㋔ は妥当な記述です。

以上より、正解は 3 です。

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