国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H28年 問35解説

 問 題     

色素に関する次の記述の ㋐ 〜 ㋓ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「色素は可視光線を吸収し、固有の色相を示す化合物である。図のような吸収を示す染料 A 及び B があり、これらの発色の元となるのが r → r* 遷移によるものとすると、r → r*遷移のエネルギー差は、A より B の方が㋐と考えられる。また、A を用いて染色したものの色は㋑、B を用いて染色したものの色は㋒であり、A とB を等量用いて染色したものの色は㋓となる。なお、光の波長と色及びその色の補色の関係は表のとおりである。」


㋐ ㋑ ㋒ ㋓
1.小さい  赤色  黄色  赤紫色
2.小さい  黄色  青色  緑 色
3.大きい  黄色  青色  赤紫色
4.大きい  青色  赤色  赤紫色
5.大きい  青色  黄色  緑 色

 

 

 

 

 

正解.5

 解 説     

B の方が吸収光の波長が短い→吸収光のエネルギーが大きい→エネルギー差が大きい と判断できます。㋐ は「大きい」です。正解は 3 ~ 5 です。

㋑、㋒ ですが、吸収する光の波長と対応する色の補色が、染料の色です。A は 650 nm 付近なので、光の色が赤です。よって、染料の色は青緑色と考えられます。同様に、B は 450 nm 付近なので、光の色が青です。よって、染料の色は黄色です。㋑ が「青色」、㋒ が「黄色」です。

㋓ ですが
青色と黄色の等量混合なので、緑色になります。

以上より、正解は 5 です。

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