国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H28年 問23解説

 問 題     

ファンデルワールスの式に関する次の記述の㋐、㋑、㋒に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「実在気体の状態方程式の一つであるファンデルワールスの式は、a、b をファンデルワールス係数として、圧力 p、モル体積 Vm、温度 T、気体定数 R について

と表される。また,臨界点における圧力 pc,モル体積 Vc,温度 Tc は,臨界点が pV 曲線の変曲点であることから,それぞれファンデルワールス係数と関連付けられる。ここで,換算変数 pr = p/pc、Vr = Vm/Vc、Tr = T/Tc を導入すると,ファンデルワールスの式は物質固有の定数を含まない形として表され、pr、Vr、Tr について

と表すことができる。」

㋐ ㋑ ㋒
1. 3  3  8
2. 3  8  3
3. 3  8  8
4. 8  3  3
5. 8  3  8

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

「臨界点が pV 曲線の変曲点」とあるので、微分した式 、及び二回微分した式に 圧力 pc 、体積 Vc、温度 Tc を代入すれば、0 です。dP/dv = 0、d2P/dV2 = 0 を計算します。また、臨界点における圧力が pc 、体積が Vc、温度が Tc なので、ファンデルワールスの式にそのまま代入した式も考えます。

pc 、 Vc、Tc について 3 つ式ができたため、解けます。

① に 1/(Vc – b) をかけて、② の第一項に代入して整理すれば、Vc = 3b です。

Vc = 3b を、式 ① に代入して整理すれば、Tc = 8a/27Rb です。

Vc = 3b、Tc = 8a/27Rb を 式 ③ に代入すれば、pc = a/27b2 です。


換算係数から「p = pcpr、Vm = VcVr、T = TcTr」です。もとのファンデルワールスの式に代入し、さらに Vc = 3b、Tc = 8a/27Rb 、pc = a/27b2 すれば、以下のように pr = 8Tr/(3Vr – 1)-3/Vr2 となります。

以上より、正解は 4 です。

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