国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H27年 問73解説

 問 題     

細胞膜に関する記述㋐~㋓のうち妥当なもののみを挙げているのはどれか。

㋐ Na+,K+ – ATPase は、細胞膜に存在し、3個の Na+ を細胞外へ汲み出すとともに、2個の
K+ を細胞内に取り込む。
㋑ 赤血球や腎臓の集合管に存在するアクアポリンは、H+ と共役して水分子を細胞内に移行さ
せる水チャネルである。
㋒ 膜表在性タンパク質とは、膜内在性タンパク質の親水性部分や細胞膜リン脂質の極性部分と
弱く結合しているタンパク質のことである。
㋓ 小腸におけるグルコースの吸収は、腸管内腔側の細胞膜に存在しインスリン依存性に調節さ
れる GLUT4 と基底膜側の細胞膜に存在する GLUT2 を介して行われる。

1. ㋐ ㋑
2. ㋐ ㋒
3. ㋑ ㋒
4. ㋑ ㋓
5. ㋒ ㋓

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

㋐ は妥当な記述です。
外がより 正電荷を帯びます。内側がより負電荷を有します。

㋑ ですが
アクアポリンは、水が選択的に通過するチャネルです。H+ と共役しているわけではありません。よって、㋑ は誤りです。

㋒ は妥当な記述です。

㋓ ですが
腸管内腔側は SGLT1、基底膜側は GLUT2 です。ちなみに GLUT4 は筋肉細胞で発現しています。よって、㋓ は誤りです。参考 衛生薬学 1-1 2)

以上より、正解は 2 です。

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