国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H27年 問56解説

 問 題     

ドキソルビシン塩酸塩のリポソーム製剤である「ドキシル®注」に関する記述㋐~㋓のうち妥当なもののみを挙げているのはどれか。

㋐ リポソーム製剤化によりドキソルビシンの心毒性が軽減されている。
㋑ EPR(enhanced permeability and retention)効果を利用したアクティブターゲティング製剤である。
㋒ EPR 効果を利用するためにリポソームの粒子径は約 2 μm としている。
㋓ リポソーム表面をポリエチレングリコールで修飾することで血中滞留性を高めた製剤である。

1. ㋐ ㋑
2. ㋐ ㋒
3. ㋐ ㋓
4. ㋑ ㋒
5. ㋑ ㋓

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

㋐ は妥当な記述です。

㋑ ですが
アクティブターゲティング製剤とは、抗体やリガンドとの結合によるターゲティング製剤です。EPR 効果を利用したターゲティングは受動的ターゲティングです。よって、㋑は誤りです。

㋒ ですが
直径およそ 100nm です。2 μm は大きすぎです。よって、㋒ は誤りです。

㋓ は妥当な記述です。いわゆる PEG 化です。

以上より、正解は 3 です。

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