国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H27年 問49解説

 問 題     

組織 T に存在する薬物受容体 R に可逆的に結合し、生理機能 F において完全活性薬として作用する薬物 X と、同受容体において可逆的かつ薬物 X と競合的に結合し、固有活性(内活性)
 60% の部分活性薬として作用する薬物 Y がある。

また受容体 R に対する KD 値(50%の受容体を占有するのに必要な濃度)と、生理機能 F における EC50 値(各薬物の最大作用の50%の作用を惹起するのに必要な濃度)は、薬物 X と薬物Y で等しく、ともに 3nM だとする。

この条件下で300nM の薬物 X 存在下組織 T に対し,最終濃度が 1nM から 100μM までの範囲の濃度となるように薬物 Y を投与した場合の定常状態において、薬物 X の最大作用を100%とした時に、生理機能 F において観察される薬理作用と薬物 Y の濃度との関係を示した図(太実線)として最も妥当なのはどれか。ただし薬物 X も薬物 Y も毒性は発揮しないものとし、薬物受容体 R の脱感作はないものとする。

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

十分量の 完全活性薬 X が存在するので、初めは 100 % の作用です。そして、100 μM まで競合的に拮抗する薬物 Y を増やすため、最終的に受容体はほぼ 薬物 Y に占有され、60% の効果しかなくなると考えられます。100% → 60% になっているグラフを探せばよいということです。

以上より、正解は 3 です。
参考 薬理学 1-1 1)

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