国家公務員総合職（化学・生物・薬学）H27年 問44解説

　問 題　　　　　

次の芳香族化合物の反応㋐～㋓のうち主たる反応として妥当なもののみを全て挙げて
いるのはどれか。

1. ㋐ ㋑
2. ㋐ ㋑ ㋒
3. ㋐ ㋓
4. ㋑ ㋒ ㋓
5. ㋒ ㋓

 

 

 

 

 

　解 説　　　　　

㋐ は妥当な記述です。
ナトリウムアミドによる Cl オルト位における脱プロトン → 脱 Cl による、極めて不安定なベンザイン中間体が生じます。ベンザインのどちらにアタックするかは ランダムなので、m,p 置換体がほぼ半々と考えられます。ちなみに、わずかに メチル基の誘起効果で p 位の方が多いと考えられます。

㋑ ですが
３位ではなく、２位に Br がつくと考えられます。（類題 101-103）
よって、㋑ は誤りです。

㋒ ですが
インドールが 3 位選択的であることから、同様に 3 位と判断できるのではないでしょうか。よって、㋒ は誤りです。

㋓ は妥当な記述です。
アダムス触媒を用いた水素化です。

以上より、正解は 3 です。