国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H27年 問35解説

 問 題     

高分子化合物の性質A~Dと構造式㋐~㋓の組合せとして最も妥当なのはどれか。

A 樹脂として飲料水容器やフィルム、磁気テープの基材に用いられ、また、繊維として広く衣類に用いられている。送液チューブや人工血管など医療分野でも用いられている。

B 透明度が高く、硬いが、有機溶剤に溶けやすい。日用品やプラモデルの素材として、また、発泡剤を用いて発泡成型したものが断熱容器や衝撃吸収材として用いられている。

C 主に繊維として用いられ、絹に似た光沢や肌触りがあり、軽く、耐衝撃性、耐薬品性に優れる。また、耐摩耗性に優れたエンジニアリングプラスチックとしても用いられている。

D 極めて大きな耐衝撃性があり、その他の機械的強度も高い。また、透明度が高いため、CDの基板、ヘルメットの風防などに用いられている。耐熱性、難燃性などにも優れている。

A B C D
1. ㋐ ㋑ ㋓ ㋒
2. ㋐ ㋓ ㋒ ㋑
3. ㋒ ㋓ ㋐ ㋑
4. ㋓ ㋑ ㋐ ㋒
5. ㋓ ㋑ ㋒ ㋐

 

 

 

 

 

正解.5

 解 説     

構造から、高分子がわかる必要があります。

㋐ は、ポリカーボネートです。
㋑ は、ポリスチレンです。
㋒ は、ナイロン 6 です。
㋓ は、ポリエチレンテレフタレートです。

㋓ が PET なので、PET ボトルから連想して「飲料水容器」と符号しやすいのではないでしょうか。これにより、正解は 4 or 5 です。また、B の記述が ㋑ とわかります。

ナイロンといえば繊維なので、C と符号するとわかります。ポリカーボネートに耐衝撃性、耐熱性、難燃性という記述も妥当と考えられます。

以上より、正解は 5 です。

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