国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H27年 問33解説

 問 題     

次の反応㋐~㋓のうちから主生成物が妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

1. ㋐ ㋑
2. ㋐ ㋑ ㋒
3. ㋐ ㋒ ㋓
4. ㋑ ㋓
5. ㋒ ㋓

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

㋐ ですが
高級アルカンのハロゲン化反応です。使われているのが F2 なので、中間体におけるラジカルの安定性の違いがそれほど反映されず、第一級水素が 置換されることが知られています。ちなみに Br2 であれば、㋐ の部分の置換体が主生成物となります。よって、㋐ は誤りです。これにより、正解は 4 or 5 です。また、㋓ は妥当とわかります。ちなみに ㋓ は Claisen 転位です。

㋑ は妥当な記述です。
ナフタレンのニトロ化です。ナフタレンの求電子置換反応は、1 位選択性です。
類題 98-102

㋒ ですが
これはカニッツアーロ反応という、アルデヒドの不均化反応です。カルボン酸とアルコールができます。具体的には、安息香酸とベンジルアルコールが生成されます。よって、㋒ は誤りです。

以上より、正解は 4 です。

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