国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H26年 問80解説

 問 題     

ポリメラーゼ連鎖反応に関する次の記述の㋐~㋕に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「ポリメラーゼ連鎖反応のアニーリング温度や伸長時間は、プライマー配列から推定された ㋐ や標的 DNA の長さを参考にして設定することができる。プライマー配列中の ㋑ の割合が高いと ㋐ は高くなる。その理由は、DNA が ㋑、㋒ の組合せで ㋓ 結合しており、㋑ では ㋔ か所 、㋒ では ㋕ か所で結合しているためである。」

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

㋐ は融解温度です。Tm 値とも呼ばれます。Tm 値とは二本鎖 DNA の半分が変性し、一本鎖 DNA の状態になる温度のことをいいます。

DNA の塩基は、アデニンとチミン、グアニンとシトシンがそれぞれ相補的に塩基対を形成します。アデニンとチミン間には 2 ヶ所、グアニンとシトシン間には 3 ヶ所水素結合が存在します。従って、グアニンとシトシンの割合が高い方が、融解温度が高くなります。

以上より、正解は 1 です。

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