問 題
維管束植物に対する元素の生理作用に関する記述 ㋐ ~ ㋔ のうちから,妥当なもののみを全て選び出しているのはどれか。
㋐ リン (P) は、物に多量に必要とされ、浸透圧の調節に重要な役割を担っている。欠乏すると葉が黄褐色に変色したり、褐色斑点を生じたりし、下葉から枯れ上がる。
㋑ 鉄 (Fe) は、クロロフィルの構成元素であり、光合成に不可欠である。また、酵素タンパク質とATP との間に架橋をつくり、リン酸化反応を助ける。
㋒ ホウ素 (B) は、細胞壁を補強して陸上植物の直立を助ける働きをしている。欠乏すると、急速に肥大する組織においてその細胞壁が崩壊したり、不稔や茎割れなどの症状が発生したりする。
㋓ マグネシウム (Mg) は、シトクローム、カタラーゼなどの構成元素である。土壌pH が高くなると不溶性の水酸化物を形成するので、吸収されにくくなり、欠乏をもたらす。
㋔ モリブデン (Mo) は硝酸還元酵素及び窒素固定に関わるニトロゲナーゼの構成元素であり、生体内の窒素代謝に関する重要な役割を担っている。
1. ㋐ ㋑
2. ㋐ ㋓
3. ㋑ ㋔
4. ㋒ ㋓
5. ㋒ ㋔
正解.5
解 説
㋐ ですが
「浸透圧調節」、「欠乏により変色や斑点」、「下から枯れ」といった記述から、カリウムについての記述と考えられます。よって、㋐ は誤りです。
㋑ ですが
クロロフィルの構成元素といえば Mg です。よって、㋑ は誤りです。
㋒ は妥当な記述です。
㋓ ですが
シトクロムやカタラーゼの構成元素といえば Fe です。また、マグネシウム は、pH が「低い」場合に吸収されにくくなります。よって、㋓ は誤りです。
㋔ は妥当な記述です。
以上より、㋒、㋔ が妥当です。正解は 5 です。
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