国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H26年 問64解説

 問 題     

以下の記述のような細菌性食中毒が発生した。このことから推定できる原因食品と原因菌の組合せとして最も妥当なのは、次のうちではどれか。ただし、食品の流通や調理の過程における二次汚染はなかったものとする。

「仕出し弁当を食べてから約24時間後に、水様性の下痢に加えて嘔吐、腹痛と発熱が生じた。」

原因食品 原因菌
1. スクランブルエッグ サルモネラ属菌
2. ポテトサラダ 腸炎ビブリオ
3. 魚の煮付け ウエルシュ菌
4. カットフルーツ ボツリヌス菌
5. 米飯 カンピロバクター

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

選択肢 1 は妥当な記述です。
原因と菌の対応も妥当な上に、症状とも符号します。

選択肢 2 ですが
腸炎ビブリオであれば、原因食品としては魚介類が考えられます。ポテトサラダではないと思われます。さらに、症状について、腸炎ビブリオが原因の場合、発熱がほぼないため、符号しません。(絶対にないわけではないですが、推定としてはより可能性が低くなります。)

選択肢 3 ですが
原因食品と原因菌の対応は妥当です。しかし、ウェルシュ菌による食中毒の症状は主に腹痛・下痢です。より多様な症状が出ており、可能性は低いと考えられます。

選択肢 4 ですが
ボツリヌス菌であれば、めまい、瞳孔拡大、眼瞼下垂といった特徴的症状が見られると考えられます。よって可能性は低いと考えられます。

選択肢 5 ですが
カンピロバクターは、豚、牛、鶏や、牛乳などが原因食品です。米飯との対応は妥当ではありません。よって、可能性は低いと考えられます。

以上より、正解は 1 です。

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