光合成は同化の一種で、好気呼吸の逆反応です。CO2 と H2O を原料にして、光エネルギーを用いて C6H12O6 を合成します。
光合成は、細胞の中の「葉緑体」と呼ばれる細胞内小器官で行われます。葉緑体は植物細胞に含まれる細胞内小器官の一つです。二重膜構造で、内部には扁平な袋が積み上がっています。扁平な袋をチラコイドと呼び、層状になっている部分がグラナ、取り囲む液体部分がストロマと呼ばれます。光合成はチラコイドが重なったグラナで始まり、ストロマで内で反応が終了します。
光合成は大きく2段階で進行します。1段階目が「光エネルギーを用いて H2O を分解し O2 発生、ATP 合成を行う」という段階です。2段階目が「ATP 等の持つエネルギーを利用し、CO2 からデンプンなどの有機物を合成する」段階です。特にこの段階の反応は「カルビン・ベンソン回路」と呼ばれます。
基礎生物学として光合成についてはこれぐらいでいいと思います。そして、さらっと書いてあるんですが「光エネルギーを用いて」というのは「光を吸収して」ということです。ではなんで葉緑体では光が吸収できて、他の部分では光が吸収できないのでしょうか?こういった現象の理論的背景については「物理化学」の「光」に関する分野で、葉緑体における化学物質の構造と関連させて詳細に学んでいきます。
少しだけ踏み込んでおくと、葉緑体に含まれるクロロフィルという色素が光を吸収するのですが、クロロフィルの構造を見ると「二重結合と単結合が交互にならぶ共役系」があります。この共役系の電子のエネルギー準位を考えた時、基底状態と励起状態のエネルギー差がちょうどいいからといった物理化学的な理解、記述を学びます。植物によっても違うのでは・・・?と思った方→植物生理学へ など、発展的な内容へつながっていきます。
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