原子量、分子量、物質量

原子量とは
最も身近な元素である炭素の質量を「12」とした時の、各原子の相対的質量です。水素 H は 1、酸素 O は 16、窒素 N は 14 といったように、各原子に対して原子量があります。

原子を構成する陽子、中性子、電子のうち、質量の大部分を占めるのは陽子と中性子です。陽子と中性子の合計個数は質量数と呼ばれます。原子量に近い整数値となります。12C のように、原子の左上に数値を添えて質量数を示します。

炭素の原子量は、精密には 12.01 のように端数がつきます。これは同じ元素において、中性子数が異なる「同位体」と呼ばれるものが自然界には含まれるからです。炭素においては 12C がほとんどですが、1% ほど 13C が含まれます。これを精密に反映させると、原子量が 12.01 となるのです。

分子量
分子を構成する原子の原子量の和です。
例えば水 H2O であれば、分子量は大体 1×2 + 16 × 1 = 18 です。正確に計算するなら 1.01 × 2 + 16.00 × 1 = 18.02 のように表すことができます。

基準となった炭素の原子量は 12 です。
とてつもなく精密な量りを用意したとして、ぴったり 12g になるまで量りに炭素原子を1個ずつ乗っけていったとしてみます。すると炭素原子 6.02 × 1023 個のせると丁度 12g となります。この個数を「アボガドロ数」といいます。そして、炭素原子だけでなく、あらゆる原子、分子、イオンについて「6.02 × 1023 個ある」というのを「ものが 1 mol ある」と呼びます。 mol という単位を用いる量を物質量といいます。

物質量、個数、質量 の関係についてまとめます。

【物質量→個数】
『何かしらの原子/分子/イオンが 2mol ありました。個数は何個でしょう?』

2 (mol) × 6.02 × 1023 個 = 12.04 × 1023 です。

【物質量→質量】
『C が 2mol ありました。何g ?
H2O が 2mol あったら何g?』

C 1mol で 12g なので 2 × 12 = 24g です。
H2O 1mol で 18g です。2mol なので 2 × 18 = 36g です。
※1mol の質量は、分子量に g をつければ OK。

物質量というアイデアのおかげで
「個数↔質量」の変換も 「個数↔物質量↔質量」と順に変換することで、ダイレクトに求めるより簡単に考えることができます。

最終確認問題です。
『炭素 1g は炭素何個?
アボガドロ数は 6.0 × 1023 個とする。』

正解は 5.0 × 1022 個です。
計算過程を復元できれば、物質量について十分身についていると思います!

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