現代における感染症の大きな問題は3つあります。
1つめは日和見感染症の問題です。
2つめは院内感染の問題です。
3つめは国際感染症の問題です。これらの問題の背景には、様々な治療薬開発の成功、衛生環境の向上、国際的な交通網の発達といったものがあります。
日和見感染症とは、健康な個体に対しては通常感染症を起こさないような病原体が原因で発症する感染症のことです。代表例としては、緑膿菌やクリプトコッカスによる感染症が挙げられます。宿主側の因子としては、基礎疾患として白血病や後天性免疫不全症候群(AIDS)を持っていたりといった因子があります。
院内感染とは、医療施設において新たに細菌やウイルスなどの病原体に感染することです。病院外での感染は市中感染と呼ばれます。代表例としては、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)などです。院内感染に特徴的な感染経路としては、医療処置を介した感染があります。すなわち、カテーテルや人工弁などからの感染です。
国際感染症は、マラリア、重症急性呼吸器症候群(SARS)などに代表される感染症のことです。これらの特徴は、感染力が強く、重篤な感染症であることです。国際的に注目されている感染症です。
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