血友病、悪性リンパ腫、紫斑病、白血球減少症、血栓・塞栓

その他の血液・造血器系の病気としては、血友病、悪性リンパ腫、紫斑病、白血球減少症、血栓・塞栓があります。

血友病とは、遺伝性血液凝固異常症です。血が固まりにくいため、軽い出血が命取りになります。第 Ⅷ 因子が欠乏する血友病 A と、第 Ⅸ 因子が欠乏する血友病 B があります。X 染色体における伴性劣性遺伝をし、男性のみに発症します。治療は、欠乏している Ⅷ 因子又は Ⅸ 因子を補充します。

悪性リンパ腫とは、B 細胞や、T 細胞ががん化する疾患です。ホジキンリンパ腫と、非ホジキンリンパ腫に分類されます。日本では、90%ほどが、非ホジキンリンパ腫です。さらに、非ホジキンリンパ腫は、B 細胞系と、T 細胞系に分類されます。ホジキンリンパ腫には、ABVD 療法+放射線療法が標準療法です。(2012.08時点)ABVD とは、ドキソルビシン、ブレオマイシン、ビンブラスチン、ダカルバジンのことです。

非ホジキンリンパ腫には、R-CHOP 療法が標準療法となっています。(2012.08時点)R-CHOPとは、リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾロンのことです。

紫斑病とは、皮膚にできる点状もしくは斑状の出血を呈する病気の総称です。代表的な紫斑病は、特発性血小板減少性紫斑病(ITP:Idiopathic thrombocytopenic purpura)です。ITP における血小板の減少の多くは、血小板に対する自己抗体の産生が原因です。治療法としては、ステロイドや免疫抑制薬の使用、脾臓の摘出などが行われます。

白血球減少症とは、白血球が基準値以下になった状態の総称です。白血球の減少の度合いや、減少した白血球の種類に応じて、好中球減少症、顆粒球減少症、無顆粒球症に分類されます。

白血球減少症の原因はさまざまですが、薬剤性が多く知られています。そのため、副作用の初期症状としての発熱などに注意が必要です。治療としては、フィルグラスチム や ナルトグラスチム などの G-CSF 製剤の投与+感染防止のための抗菌薬の投与が行われます。

血栓・塞栓とは、血液が固まってしまうことです。固まった血がその場で血液循環を妨げる場合を血栓、できた固まりが血流に乗って、血管が細い場所で固まりが詰まってしまい、血液循環を妨げる場合を塞栓と呼びます。先天性、後天性ともに原因がさまざまあります。治療としては、血栓溶解剤、抗凝固療法、抗血小板療法などが行われます。

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