代表的な疾患における薬物治療と非薬物治療の位置づけ

代表的な疾患として、循環器系、消化器系、呼吸器系、代謝性疾患の代表例について説明します。他の疾患については、各論である、以降の節で取り上げます。

薬物治療と、非薬物治療とは、薬物を用いるか用いないかで治療を分類したものです。多くの疾患において、疾患の改善には、薬物治療と非薬物治療の両方が重要な役割を果たします。

循環器系の代表的な疾患として、本態性高血圧があります。高血圧の薬物療法は、Ca2+チャネル遮断薬や、RAA(レニン-アンギオテンシン-アルドステロン)系抑制薬などを選択します。単剤で効果不十分ならば併用します。高血圧の非薬物療法は、体重制限、運動、減塩食などです。

消化器系の代表的な疾患として、胃、十二指腸潰瘍があります。胃、十二指腸潰瘍の薬物療法は、プロトンポンプ阻害薬、H2 受容体遮断薬、ピロリ菌除菌などを選択します。胃、十二指腸潰瘍の非薬物療法は、外科手術などがあります。

呼吸器系の代表的な疾患として、気管支ぜん息があります。ぜん息の薬物療法は、吸入ステロイド、長時間作用型β2 受容体刺激薬などを選択します。ぜん息の非薬物療法は、減感作療法や、ピークフロー測定による自己管理、禁煙などがあります。

代謝性疾患の代表的な疾患として、脂質異常症があります。脂質異常症の薬物療法は、フィブラート系や HMG-CoA 還元酵素阻害薬(スタチン系)を選択します。脂質異常症の非薬物療法は、食事療法、運動療法などがあります。

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