代表的な内分泌・代謝疾患に関する検査

代表的な内分泌・代謝疾患に関する検査は
甲状腺ホルモン(FT3、FT4、TSH)、コレステロール、中性脂肪、尿酸、血糖、HbA1cです。

甲状腺の機能を評価するために検査されるのが、甲状腺ホルモンと呼ばれる FT3、FT4、TSH という3つのホルモンです。FT3、FT4 は、血中で遊離している(F:free )T3 、T4 の量です。TSH とは、T3 、T4 の分泌を促進させるホルモンで脳下垂体から分泌されるホルモンです。基準値は、FT3 :2.1~3.8pg/mL、FT4 :0.9~1.6ng/dL、TSH:0.6~4.1μIU/mLです。

単位から、極めて微量なホルモンであることが伺えるかと思います。FT3、FT4 が高いと、甲状腺機能亢進症、FT3、FT4 が低いと、甲状腺機能低下症です。

血中の脂質に関して評価するために検査されるのがコレステロール中性脂肪です。コレステロール(cho)は血中において、タンパク質と結合したリポタンパク質と呼ばれる形で存在しています。このリポタンパク質におけるコレステロールの比率により、LDL コレステロール(LDL-cho)、HDL コレステロール(HDL-cho)と分類されます。中性脂肪(TG)も、血中で単独で存在するわけではなくリポタンパク質として存在しています。基準値は、LDL-cho:140mg/dL未満、HDL-cho:40mg/dL以上、TG:30~150mg/dL です。

LDL-cho は、別名悪玉コレステロールとよばれます。これは、LDL-cho の役割が、コレステロールを肝臓から全身へと運ぶという役割であることに由来しています。すなわち、全身の血管にコレステロールを運んでいくコレステロールであるため悪玉と呼ばれているのです。とはいえ、注意すべきは、全身にとってコレステロールは本来必要な物質であるということです。悪玉と呼ばれますが、過剰な時に問題になるだけであるということに留意が必要です。

又、HDL-cho は、別名善玉コレステロールとよばれます。これは、HDL-cho の役割がコレステロールを全身から肝臓へ運ぶという役割であることに由来しています。すなわち、全身からコレステロールをとりさってくれるため善玉と呼ばれているのです。

尿酸は、プリン体の最終代謝産物です。
尿酸値を測定することにより、痛風や合併症の危険性を評価します。基準値は、尿酸(男性):3.5~7.5mg/dL、尿酸(女性):2.5~6.0mg/dL です。

男女差がある理由は、女性ホルモンが腎臓からの尿酸の排泄を促すためです。7mg/dL を超えると、尿酸結晶が血中において析出しやすくなるので注意が必要です。

血糖値は、血液内のグルコース濃度のことです。
食事や運動により、容易に変動します。HbA1c は、過去1~2ヶ月の推定平均血糖値を反映した値です。以下の①~④のいずれか一つで糖尿病型です。又、①~③のいずれかと、④が確認された時は、糖尿病と診断されます。

① 早朝空腹時血糖値126mg/dL以上
② 75g OGTT (Oral glucose tolerance test)で 2 時間値 200mg / dL以上
③ 随時血糖値 200mg/dL以上
④ HbA1c(JDS値:Japan Diabetes Society 値)が6.1%以上(国際基準値では、6.5%以上)

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