代表的な画像診断技術(CT、X線、MRI、超音波など)

画像診断技術とは、体の表面から直接観察できない内部を画像化して診断する技術です。代表的な技術として、CT(Computed Tomography)、X 線診断、MRI(Magnetic Resonance Imaging)、超音波診断などがあります。

CT は、X 線を通じて得た人体の輪切りの画像をコンピュータ処理して三次元画像を得る技術です。使用するのは X 線で、人体組織の吸収率の違いを画像化します。内部の出血の有無を判断するといった検査に有用です。

X 線診断とは、いわゆるレントゲンのことです。人体に対し一方向から X 線を当てて、吸収率を可視化します。骨がよく吸収し、肺などの空気が多い部分はほぼ吸収しません。胃腸や血管検査の時には、造影剤と呼ばれる、X 線をよく吸収する硫酸バリウム、ヨードや、逆に吸収しない 二酸化炭素などが用いられます。

MRI は、強力な磁場内で特定の周波数のラジオ波を照射することによる、人体中の水素の原子核共鳴後、基底状態に戻る緩和現象にかかる時間が、組織や病変により異なることを利用した画像診断技術です。人体中の水素とは、具体的には水や脂肪由来です。緩和現象に伴い、プロトンが放出するエネルギーを微弱な信号としてとらえます。常磁性造影剤(例:ガドリニウム製剤)を用いることで明確な画像を得ることができます。

超音波診断は、体外から超音波を照射し、反射波をとらえて画像化する方法です。装置が小型、軽量である点が長所です。約1~20MHz の超音波が用いられます。

また、放射性同位元素を用いた診断のことをシンチグラフィーと呼びます。γ 線放出核種(99mTc、123I など)を用いる装置を SPECT(single photon emission computed tomography)、陽電子放出核種(11C、13N、15O、18F など)を用いる装置が PET(Positron Emission Tomography)です。

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