相とは、系全体にわたって同一の物性を示すような空間の領域のことです。物質は、気相、液相、固相の3状態をとります。この3状態を、物質の3態とよびます。
物質が、1つの相から他の相に変わるのが相変化(=相転移)です。相変化にはエネルギー(熱)の出入りが伴います。相変化におけるエネルギー(熱)の出入りとはエンタルピー変化に他なりません。
そこで相変化に伴うエネルギーの出入りを ΔH とすると、ΔH が系の圧力 P と絶対温度 T により関係付けられることが知られており、それが Clausius-Clapeyron の式です。式は以下になります。
式の左辺 dP/dT は「横軸を T、縦軸を P とした時のグラフにおける傾き」を意味します。相変化に関する、横軸 T、縦軸 P のグラフといえば相図です。(物理まとめ 3-1 3)で後述します)。
式になぜ気体定数が出てくるかといえば、いくつかの仮定がこの式の導出において含まれているからです。すなわち、考えているのが蒸発(気-液平衡)で、蒸気を理想気体とみなすという仮定が含まれています。
式の両辺を積分した形もよく用いられます。T、P を変数、その他を定数とみて積分します。積分した結果は以下になります。
コメント