問 題
低血圧を示す疾患はどれか。1つ選べ。
- 原発性アルドステロン症
- クッシング病
- 原発性副甲状腺機能亢進症
- アジソン病
- 甲状腺機能亢進症
解 説
原発性アルドステロン症とは、副腎皮質の病変により、血中のアルドステロン濃度が上昇する病気です。アルドステロンが分泌されると、ナトリウムの再吸収が促進されます。つまり、血中のナトリウム濃度が増加します。
血中のナトリウム濃度が増加することで、血しょうの浸透圧が増加します。浸透圧調節のため、水分を組織から吸収することで、循環血しょう量が増加し、血圧は増加します。よって、低血圧を示さないため、選択肢 1 は誤りです。
クッシング病とは、副腎皮質ホルモン(ステロイド)が異常に産生されることが原因で引き起こされる病気の総称です。副腎皮質ホルモンには、アルドステロンも含まれ、先ほどの解説と同様の流れにより高血圧を引き起こします。よって、低血圧を示さないため、選択肢 2 は誤りです。
原発性副甲状腺機能亢進症とは、副甲状腺に腫瘍がおきたりすることで、副甲状腺ホルモンが過剰に分泌され続ける状態です。副甲状腺ホルモンは、カルシウムの吸収を促進させるため、高カルシウム血症となります。高カルシウム血症を是正しようとした結果として、合併症である二次性高血圧がみられることがあります。よって、低血圧を示さないため、選択肢 3 は誤りです。
アジソン病とは、慢性副腎皮質機能低下症です。アルドステロンの低下から、ナトリウムの再吸収が抑制され、低ナトリウム血症となり、アルドステロン症とは逆に、低血圧となります。
甲状腺機能亢進症とは、甲状腺が活発に働き、甲状腺ホルモンの分泌量が過剰になる疾患です。イメージとしては、興奮状態がずっと続いた状態になります。高血圧、頻脈といった症状があらわれます。よって、低血圧を示さないため、選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 4 です。
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