問 題
下記症例について「問題志向型システム」に準拠した経過記録を作成した。作成に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
【症例】
62歳男性。半年前頃から足に冷感があり、最近では寒い朝などに足先がしびれるような感じになったので、病院を受診した。診察の際、今日は、階段を上ったり早足でかなり歩いたので、足が痛くなったと訴えた。患者は、足を引きずるようにして歩いていた。
20歳頃から喫煙(20本/日)を始め、飲酒(日本酒を2合/日)も長年続けている。現在、テルミサルタン錠40mg1錠を1日1回服用している。後日、血管造影検査をすることになった。
- 問題リストとして「高尿酸血症の危険因子として飲酒」をあげた。
- 主観的データとして「患者は、半年前頃から足に冷感があり、最近では寒い朝などに足先がしびれる」と記載した。
- 客観的データとして「患者は、足を引きずるようにして歩く」と記載した。
- 計画として「患者の病態を考慮し、テルミサルタンのβ遮断薬への変更を提案」と記載した。
正解.2, 3
解 説
足の冷感やしびれといった症状は、末梢血管の循環障害を示唆しています。よって、問題リストとしては、高尿酸血症の危険因子として飲酒ではなく、動脈硬化症の危険因子としての喫煙がより適切であると考えられます。よって、選択肢 1 は誤りです。
主観的データとしては、選択肢の記載で適切であると考えられます。すなわち、患者の訴えを、簡潔にまとめた記述となっています。
客観的データとしては、選択肢の記載で適切であると考えられます。すなわち、客観的にわかる情報を、簡潔にまとめた記述となっています。他に、併用薬:テルミサルタン錠(40mg),分1, 1錠 といった記載も客観的データとして適切であると考えられます。
β遮断薬によって、抹消では血管収縮により手足の血液の流れが悪くなる作用が予想されます。よって、末梢血管の循環障害を示唆する症状が見られるこの患者に対して、選択肢 4 の提案は、適切であるとはいえません。よって、選択肢 4 は誤りです。
以上より、正解は 2,3 です。
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