問 題
多発性骨髄腫に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
- 頭蓋骨X線写真で、骨抜き打ち像を認める。
- 血液所見として赤血球の連銭形成がある。
- 巨核球が腫瘍化した疾患である。
- ベンス・ジョーンズタンパクは、尿中に排泄される。
- サリドマイドが有効である。
正解.3
解 説
多発性骨髄腫とは、血液がんの一種です。モノクローナルな異常γ-グロブリン(Mタンパク質)が産生されます。骨髄でがん細胞が増殖し、多彩な症状を呈します。サリドマイドが治療薬として用いられます。
赤血球の連銭形成とは、末梢血液像を見た時にあたかもコインを重ねて、それを崩した時のようにつながった形態のことです。免疫グロブリンが多い時に見られる形態です。
ベンスジョーンズタンパクとは、免疫に関与するγ-グロブリンというタンパク質の破片です。多発性骨髄腫において上昇するタンパク質です。通常は尿中に認められませんが、多発性骨髄腫を発病すると血中に増加したこのタンパク質が、尿中に見られるようになります。
よって、巨核球が腫瘍化した疾患ではないので、選択肢 3 は誤りです。ちなみに、(主に)巨核球が腫瘍化した疾患は、特発性(原発性)骨髄線維症です。
以上より、正解は 3 です。
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