問 題
60歳男性(患者A)。感冒症状により医療機関を受診し、以下の処方が追加となった。
問306
服用開始2日後、調剤した薬局の薬剤師Bに、「尿が出なくなりAさんが入院した」と連絡が入った。疑われる原因として、可能性が最も高いのはどれか。1つ選べ。
- アナフィラキシーショック
- 中毒性表皮壊死症
- 抗コリン作用
- 肝機能障害
- 横紋筋融解症
問307
前問の連絡の数日後、薬剤師BがAさんに関することで問い合わせを受けた。この問い合わせに対して、Aさんの情報を薬剤師Bから提供することが適切でないのはどれか。2つ選べ。なお、第三者への情報提供に対するAさんの同意は得ていない。
- Aさんの友人から、入院した理由を聞かれたとき。
- Aさんの勤務先の上司から、服用薬剤の名称を聞かれたとき。
- 入院先の主治医から、Aさんの服用薬剤の銘柄を聞かれたとき。
- 同じ薬局の別の薬剤師CがAさんに服薬説明をする際に、薬剤師CからAさんの症状を聞かれたとき。
- Aさんの服用薬剤の製造販売業者から、副作用症状の情報提供を求められたとき。
正解.
問306:3
問307:1, 2
解 説
問306
プロメタジンメチレンジサリチル酸による、抗コリン作用による副作用であると考えられます。
以上より、正解は 3 です。
ちなみに、抗コリン作用のある成分は、鼻水や鼻づまりの改善を意図して含まれています。
問307
患者 A の入院理由や服用薬剤の名称などは、業務上知り得た人の秘密に該当します。よって、正当な理由なく秘密を漏らすことは許されません。選択肢 1,2 の場合は、共に正当な理由には該当しません。
選択肢 3 の場合は、入院先の主治医から、Aさんの服用薬剤の銘柄を聞かれています。これは診療上必要である場合であると考えられ、正当な理由に該当します。
選択肢 4 の場合は、服薬説明のための情報の共有であり、正当な理由に該当します。
選択肢 5 の場合は、製造販売業者への副作用症状に関する情報提供であり、このような情報提供の依頼には協力するよう努める必要があり、正当な理由に該当します。
以上より、正解は 1,2 です。
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