薬剤師国家試験 第98回 問232-233 過去問解説

 問 題     

小児と一緒に薬局を訪れた母親から、薬剤師に対して予防接種に関する相談があった。

問232

小児に予防接種を受けさせる場合に、接種時期に関わらず任意接種となることを説明すべき疾病はどれか。2つ選べ。

  1. ジフテリア
  2. インフルエンザ
  3. 流行性耳下腺炎
  4. ポリオ

問233

予防接種に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 我が国においては、麻疹の感染は完全に抑えられているとは言えない。
  2. 麻疹と風疹の混合ワクチンの接種時期は、生後12~24月未満と小学校就学前である。
  3. 結核の予防接種は行われていない。
  4. DPT混合ワクチンには、百日咳菌のトキソイドが含まれている。

 

 

 

 

 

正解.
問232:2, 3
問233:1, 2

 解 説     

問232

ジフテリアは、接種時期によっては、定期接種となります。具体的には、生後3ヶ月~1歳までにおける、1期初回と呼ばれる3回の接種、及び1期追加と呼ばれる、1期初回3回めの接種から、1年~1.5年後の接種は、定期接種です。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2,3 は、接種時期に関わらず、任意接種です。

ポリオは、接種時期によっては定期接種となります。具体的には、生後3ヶ月~1歳までにおける、1期初回と呼ばれる3回の接種、及び1期追加と呼ばれる、1期初回3回めの接種から、1年~1.5年後の接種は、定期接種です。よって、選択肢 4 は誤りです。

ちなみに、現在(2013.4時点)では、ジフテリアや、ポリオは、まとめて四種混合ワクチンという形での定期接種が行われています。現在は、「三種混合ワクチンと、ポリオワクチン」から「四種混合ワクチン」の移行期間となっています。

以上より、正解は 2,3 です。

問233

選択肢 1,2 はその通りの記述です。

結核の予防接種として、BCG(Bacille de Calmette et Guérin)接種が行われています。よって、選択肢 3 は誤りです。

DPT 混合ワクチンとは、ジフテリア、百日咳、破傷風の3つの病原菌に対するワクチンです。ワクチンには、ジフテリアのトキソイド、及び破傷風菌のトキソイドに加えて毒性を減毒した百日咳菌が入っています。よって、百日咳菌のトキソイドは入っておらず、選択肢 4 は誤りです。

以上より、正解は 1,2 です。

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