薬剤師国家試験 第98回 問234-235 過去問解説

 問 題     

42歳女性。健康診断(人間ドック)で眼底出血を指摘され、薬局の薬剤師に相談した。

問234

対応した薬剤師は、過去に患者が定期的な健康診断を受けていなかったこと、及び生活習慣病との関連性を疑わせるような生活背景が聴き取れたので、内科への受診勧奨をすることにした。

その時に直接的な原因として想定しておくべき生活習慣病はどれか。優先順位の高いものを2つ選べ。

  1. 脂質異常症
  2. 肥満症
  3. 糖尿病
  4. 高尿酸血症
  5. 高血圧症

問235

特定健康診査及び特定保健指導に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 特定健康診査は、メタボリックシンドロームに着目したものである。
  2. 特定健康診査の結果、腹囲、血圧、脂質検査、血糖検査などの基本項目が、1つでも正常値から外れると、特定保健指導の対象者となる。
  3. 特定保健指導には,リスクの程度に応じて、動機付け支援、積極的支援がある。
  4. 特定健康診査は、三次予防に重点を置いている。

 

 

 

 

 

正解.
問234:3, 5
問235:1, 3

 解 説     

問234

高血圧が続くと動脈硬化がおきやすく又、糖尿病が続くと微小血管に障害がおきやすくなります。これらの原因により、血管がもろくなり、眼底出血がひきおこされると考えられます。よって、出血の原因として想定しておくべき生活習慣病は糖尿病及び高血圧症です。

以上より、正解は 3,5 です。

問235

特定健康診査とは、メタボリックシンドロームに着目し、この該当者及び予備軍を的確に抽出するために行う検査です。この検査により、複数のリスクがみつかった場合は、医師、保健師、管理栄養士などにより、特定保健指導が行われます。指導の内容は、対面や電話、メールなどによる動機づけ支援と、積極的支援に分類されます。

以上より、正解は 1,3 です。

ちなみに、三次予防とは、リハビリテーションのことです。つまり、治療の過程において、機能回復を図り、社会復帰の支援や再発予防を行うことです。メタボリックシンドロームに対する健康診査は、一次予防に対応します。

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