薬剤師国家試験 第98回 問156 過去問解説

 問 題     

抗てんかん薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. カルバマゼピンは、電位依存性Naチャネルを遮断し、強直間代発作を抑制する。
  2. バルプロ酸は、セロトニン5-HT1A受容体を遮断し、すべての型の全般発作を抑制する。
  3. プリミドンはGABAトランスアミナーゼを阻害するので、フェノバルビタールとの併用で相乗効果が期待できる。
  4. クロナゼパムは、ベンゾジアゼピン受容体を遮断し、複雑部分発作を抑制する。
  5. エトスクシミドは、T型Ca2チャネルを遮断し、欠神発作を抑制する。

 

 

 

 

 

正解.1, 5

 解 説     

選択肢 1 はその通りの記述です。

バルプロ酸(デパケン)は、GABAトランスアミナーゼを阻害することで抗てんかん作用を示す薬です。よって、セロトニン5-HT1A 受容体を遮断するわけではないので選択肢 2 は誤りです。

プリミドン(マイソリン)は、GABAA 受容体のピクロトキシン結合部位に結合し、GABA 神経系の活動性を高めることで抗てんかん作用を示します。よって、GABAトランスアミナーゼを阻害するわけではないので選択肢 3 は誤りです。

クロナゼパム(リボトリール)は、Bz(ベンゾジアゼピン)系の薬です。GABAA 受容体の Bz 結合部位に結合し、GABA 神経系の活動性を高めることで抗てんかん作用を示します。よって、ベンゾジアゼピン受容体を遮断するわけではないので選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 はその通りの記述です。

以上より、正解は 1,5 です。

コメント