薬剤師国家試験 第98回 問155 過去問解説

 問 題     

催眠薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. ゾルピデムは、ベンゾジアゼピンω1受容体に選択性の高い催眠薬で、筋弛緩作用に基づく副作用は少ない。
  2. ラメルテオンは、メラトニン受容体を刺激し、睡眠覚醒リズムを調節する。
  3. エスタゾラムは、中枢のヒスタミンH1受容体を遮断し、睡眠を導入する。
  4. フェノバルビタールは、抗痙れん作用が現れる用量以下で鎮静・催眠を引き起こす。

 

 

 

 

 

正解.1, 2

 解 説     

選択肢 1,2 はその通りの記述です。

エスタゾラム(ユーロジン)は、中時間型 Bz (ベンゾジアゼピン)系催眠薬です。GABAA 受容体における Bz 結合部位に結合して作用します。よって、H1 受容体を遮断するわけではないので、選択肢 3 は誤りです。

フェノバルビタールは、抗けいれん、鎮静、催眠作用を持つ薬です。用法・用量は、不眠症以外の場合、1日30~200 mg を1~4回に分けて経口投与、不眠症の場合は、1回30~200 mg を、就寝前に経口投与となっています。(2013.4月時点、添付文書)。よって、抗けいれん作用が現れる用量以下で鎮静・催眠を引き起こすという記述は適切ではありません。選択肢 4 は誤りです。

以上より、正解は 1,2 です。

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