問 題
ビタミンKに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 容易に胎盤を通過する。
- ビタミンK依存性タンパク質のグルタミン酸残基をγ-カルボキシル化する酵素の活性発現に必要である。
- プロトロンビンの発現を、主として転写レベルで制御している。
- ワルファリンは、ビタミンK再生経路を活性化する。
- オステオカルシンは、ビタミンK依存性タンパク質である。
正解.2, 5
解 説
ビタミンKは、胎盤を通過しません。よって、選択肢 1 は誤りです。
ちなみに、生まれたばかりの胎児は、胎盤がビタミン K を通過しない上に腸内細菌によるビタミン K の補給も未熟で、母乳にもビタミン K は豊富ではないので、生後2~5日でビタミンKが枯渇します。そのため、ビタミン K 依存凝固因子ができず、消化管粘膜から出血することがあります。これを、新生児出血症(新生児メレナ)と呼びます。最近は、予防的にビタミン K2 シロップを内服するようになっています。
選択肢 2 はその通りの記述です。
ビタミンKは、プロトロンビンの合成において、補酵素として作用しています。よって、転写レベルで制御しているわけではないので、選択肢 3 は誤りです。
ワルファリンは、ビタミンKの作用に拮抗することにより、血液凝固因子のうち、II VII、IX、X因子の生合成を抑制します。よって、ビタミン K 再生経路を活性化するわけではないので、選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 はその通りの記述です。
オステオカルシンとは、骨芽細胞が生産する骨基質タンパク質です。成熟分子が合成されるためには、ビタミン K が必要です。つまり、ビタミン K 依存性タンパク質です。
以上より、正解は 2,5 です。
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