問 題
45歳男性。腎移植術2日前よりタクロリムスカプセルを1日1回10mg服用し、術後はタクロリムス注射液を投与されている。この患者におけるタクロリムスのTDMについて適切なのはどれか。2つ選べ。
- 術後1週間程度は頻回に測定する。
- 術前に最低1回はTDMを行う。
- TDMには血漿を用いる。
- タクロリムスの投与2時間後に採血する。
- 退院後は有効血中濃度の上限を目標とする。
正解.1, 2
解 説
選択肢 1,2 は妥当な記述です。
選択肢 3 ですが
タクロリムスの特徴として、血球にも分布することがあげられます。従って「全血」でTDMです。血漿のみではありません。よって、選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 ですが
タクロリムスの TDM は、トラフ値をとります。従って「投与 2 時間後」ではなく、注射直前で採血すると考えられます。よって、選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 ですが
目標血中濃度はトラフ値で設定するため、有効血中濃度の上限を目標にしては高すぎです。よって、選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 1,2 です。
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