薬剤師国家試験 第99回 問111 過去問解説

 問 題     

図は、膵臓の顕微鏡写真であり、形態の異なる領域(A及びB)が観察される。これらの領域は、それぞれ内分泌あるいは外分泌に関わっている。正しい記述はどれか。2つ選べ。

  1. Aからは、血糖値を高めるホルモンが分泌される。
  2. Bからは、筋細胞においてグルコース輸送担体(GLUT4)の発現を増加させるホルモンが分泌される。
  3. Aで産生されるソマトスタチンは、十二指腸に分泌される。
  4. Bからは、脂肪の消化を促進する胆汁酸が分泌される。
  5. 消化管ホルモンのセクレチンによって、Bからの膵液分泌が促進される。

 

 

 

 

 

正解.1, 5

 解 説     

膵臓は、大きく外分泌部と、内分泌部=ランゲルハンス島に分類されます。写真の中で、島のように見える A が内分泌部です。B が外分泌部です。

選択肢 1 は、正しい記述です。
A から、つまり内分泌部からは、グルカゴンのような血糖値を高めるホルモンが分泌されます。

選択肢 2 ですが
GLUT 4 の発現を増加させる代表的なホルモンはインスリンです。インスリンは、B からではなく A から分泌されます。よって、誤りです。

選択肢 3 ですが
十二指腸に分泌されるホルモンはセクレチンです。ソマトスタチンでは、ありません。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
B で分泌されるのは、膵液です。胆汁酸では、ありません。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は正しい記述です。
セクレチンは、十二指腸粘膜内の S 細胞(Sが、セクレチンのSです。)による分泌される、消化管ホルモンです。このホルモンの分泌を受けて、膵臓の膵液分泌が促進されます。

以上より、正解は 1,5 です。

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