薬剤師国家試験 第111回 問102 過去問解説

 問 題     

求核アシル置換反応の反応性が最も低いのはどれか。1 つ選べ。

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

選択肢の構造は、左側の CH3 - CH2 - CO が共通しています。

選択肢 1,3,4 はエステル
選択肢 2 は酸無水物
選択肢 5 は酸塩化物 です。

酸塩化物と酸無水物は、一般的にエステルよりも反応性が高いため、選択肢 2,5 は誤りです。


選択肢 1,3,4 ですが

エステルの求核アシル置換反応は、付加-脱離機構により進行します。カルボニル基 (C=O) の炭素が求核攻撃を受けた後に脱離基が脱離する流れです。右側部分が対応する「脱離基」の脱離能が大きいほど反応性が大きいと考えられます。

脱離能が大きいかどうかは、脱離した後の断片の安定性を比較して考えます。より安定である方が反応性が大きいです。

選択肢 1,3 は脱離基が大きく、また、酸素原子上に生じる負電荷が共鳴安定化する構造になっています。一方、選択肢 4 は、酸素原子上に生じる負電荷が共鳴できない構造です。従って、反応性が最も低いのは選択肢 4 の構造であると読み取れます。


以上より、正解は 4 です。

参考 酸塩化物・酸無水物・エステルの反応
https://yaku-tik.com/yakugaku/yk-3-6-3/

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