薬剤師国家試験 第111回 問117 過去問解説

 問 題     

病原細菌の性質に関する記述として、正しいのはどれか。 2 つ選べ。

  1. 黄色ブドウ球菌は、食塩耐性を有しており、マンニット(マンニトール)食塩寒天培地で増殖できる。
  2. 肺炎球菌(肺炎レンサ球菌)の莢膜は、病原因子であり、貪食細胞に対する抵抗性に寄与している。
  3. ディフィシル菌は、芽胞形成能を持たず、食中毒の原因になりやすい。
  4. 破傷風菌は、破傷風毒素を産生し、弛緩性麻痺を引き起こす。
  5. ボツリヌス菌は、ボツリヌス毒素を産生し、強直性痙れんを引き起こす。

 

 

 

 

 

正解.1, 2

 解 説     

選択肢 3,4,5 を誤りと判断したい問題です。


選択肢 1 は妥当です。

黄色ブドウ球菌は、食塩耐性を有します。

選択肢 2 は妥当です。
肺炎球菌の莢膜は、好中球などの貪食作用から身を守る重要な病原因子です。病原因子とは、細菌やウイルスなどの病原体が宿主に感染し、病気を引き起こすために使われる成分や仕組みのことです。

選択肢 3 ですが
ディフィシル菌は、芽胞を形成します。また、主に抗菌薬の長期投与等により腸内細菌叢が乱れることで菌が異常増殖して起こる「偽膜性大腸炎(菌交替症)」の原因です。食中毒の原因になりやすいわけではありません。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4,5 ですが
症状が逆です。破傷風菌毒素は、神経の抑制系を阻害し、強直性痙攣を引き起こします。一方、ボツリヌス毒素はアセチルコリン放出を阻害し、弛緩性麻痺を引き起こします。選択肢 4,5 は共に誤りです。


以上より、正解は 1,2 です。

コメント