問 題
20 歳女性。 3 ケ月前から動悸、発汗、手の振戦及び 4 kg の体重減少を認めた。近医を受診したところ、体温は 37.2 ℃ であり、均一で弾力性に富む甲状腺腫大を指摘された。
血液検査では、遊離チロキシン(FT4) 2.8 ng/dL であり、抗チログロブリン抗体が陽性であった。
本症例で認められることが多い他の血液検査所見として適切なのはどれか。 2 つ選べ。
- LDL コレステロール高値
- 甲状腺刺激ホルモン(TSH)高値
- クレアチンキナーゼ(CK)高値
- アルカリホスファターゼ(ALP)高値
- 抗 TSH 受容体抗体陽性
正解.4, 5
解 説
若年女性の甲状腺機能亢進症状 (動悸・発汗・振戦・体重減少) と FT4 高値から、バセドウ病と考えられます。
問題文にある「抗チログロブリン (Tg) 抗体」は橋本病で高頻度に陽性となりますが、バセドウ病患者でも約 50 〜 80 % で陽性を示すため、本症例の症状・検査値 (FT4 高値) と矛盾しません。
バセドウ病は、甲状腺ホルモン受容体抗体や、甲状腺刺激抗体が産生されることにより、甲状腺が常に刺激されている状態になることにより、様々な症状が引き起こされる疾患です。
甲状腺が常に刺激される状態なので、甲状腺刺激ホルモンは低値となります。また、遊離甲状腺ホルモン FT3、FT4 は高値、抗 TSH 受容体抗体陽性 となるのが特徴です。
また、甲状腺ホルモンの過剰分泌によって骨の代謝 (骨の破壊と形成) が非常に活発になるため、ALP がやや高値を示します。
以上より、正解は 4,5 です。
参考 甲状腺機能異常症の病態生理、治療薬、注意点
https://yaku-tik.com/yakugaku/bt-3-4-2/

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