問 題
52 歳男性。 4 月の定期健診で便潜血陽性と判定され、 5 月上旬に A 市立病院消化器外科を受診した。その結果、大腸がんの疑いで全大腸内視鏡検査を 5 月下旬に受けることになった。
検査の前処置を自宅で行うため前投薬として以下の処方 1 及び 2 の薬剤が処方され、薬剤師が服薬指導を行った。
診療録より 10 年前から糖尿病でインスリンの自己皮下注射( 1 回 2 単位、 1 日 3 回食前)をしていることが分かった。
| ピコスルファート Na 経口液 0.75 % 10 mL | 1 回 1 本 |
| 1 本を検査前日の夕食後に服用 |
| ニフレック配合内用剤(注) | 1 袋 |
| 1 袋に水 2 L を加えて溶解し、検査当日の 7 時から 1 L/h の速度で服用 |
注: 1 袋中、塩化ナトリウム 2.93 g、塩化カリウム 1.485 g、炭酸水素ナトリウム 3.37 g、無水硫酸ナトリウム 11.37 g、その他マクロゴール 4000(ポリエチレングリコール 4000)など数種類の添加剤を含む。
問202
この患者に対する服薬指導として適切なのはどれか。 2 つ選べ。
- 検査当日の朝は、インスリンを注射しないでください。
- 処方 1 の薬剤を検査前日に飲み忘れた場合は、検査当日の起床時に服用してください。
- 2 L が飲みきれないと感じる場合は、処方 2 の薬剤を溶解する水の量を半分にしてください。
- 処方 2 の薬剤は必ず水で溶かしてください。
- 処方 2 の薬剤は 1 袋を 1 時間で飲みきって構いません。
問203
内視鏡検査は体腔内を直接目視できる検査法であり、内視鏡には光量の損失なしに光を体腔内に導くために光ファイバーを用いている。
光ファイバーは図 1 のように中心部(コア)とその周囲を覆う外周部(クラッド)からなる構造をしており、両者の屈折率が異なることによる境界面での全反射を利用して光を伝搬する。
いま、異なる屈折率の媒質 1 と 2 の境界面における光の屈折を図 2 のように考えるとき、屈折に関する記述として正しいのはどれか。 2 つ選べ。
ただし、図 2 において媒質 1 と 2 の屈折率をそれぞれ n1 と n2、入射角を θi、屈折角を θr とする。

- 屈折率は媒質の誘電率と光の波長に関係する。
- 媒質 1 中の光の速さは媒質 2 中よりも速い。
- コアの屈折率を nA、クラッドの屈折率を nB とすると、nA > nB である。
- n1 sin θr = n2 sin θi が成り立つ。
- 媒質 2 から θr より大きい入射角で光を入射すると媒質 1 の屈折角は θi より小さくなる。
問202:1, 4
問203:1, 3
解 説
問202
選択肢 1 は妥当です。
検査当日の朝食は絶食なので、低血糖を防ぐ目的でインスリン注射はしないように指導します。
選択肢 2 ですが
ピコスルファートは、飲んですぐ効くタイプではなく、胃や小腸では作用せずに大腸に届き、そこで腸内細菌によって分解されて初めて活発に動き出す仕組みです。そのため検査前日に飲み忘れた場合、当日起床時に服用しても効果が検査までに期待できません。
前日飲み忘れた場合は服用せず、速やかに医療機関へ連絡して指示を受けるよう指導します。選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 ですが
水の量を半分に減らすと濃度が 2 倍になってしまうので不適切です。選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 は妥当です。
水以外で溶かすと、電解質濃度バランスが崩れるおそれがあります。必ず水で溶かすように指導します。
選択肢 5 ですが
1 時間で 2 L 全量を飲むと、吐き気などの副作用リスクが高まります。「1 袋を 1 時間で飲みきって構いません」という指導は不適切です。選択肢 5 は誤りです。
以上より、問 202 の正解は 1,4 です。
問203
選択肢 1 は妥当です。
選択肢 2 ですが
まず、図2から 入射角 θi よりも 屈折角 θr が大きいので、屈折率は、媒質 1 よりも媒質 2 の方が小さいです。つまり n1 > n2 です。
そして、スネルの法則より n1v1 = n2v2 = c (c は真空中の光速) です。屈折率が大きい方が 速さは「小さい」です。従って、屈折率が大きい媒質 1 中の光の速さ は、媒質 2 中よりも「遅い」です。媒質 1 中の光の速さ は 媒質 2 中よりも「速い」わけではありません。選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 は妥当です。下図参照

選択肢 4 ですが
n1 sinθi = n2 sinθr です。n1 sin θr = n2 sin θi ではありません。選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 ですが
図 2 に書き込むとわかりやすいです。下図参照。選択肢 5 は誤りです。
以上より、問 203 の正解は 1,3 です。

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