問 題
58 歳女性。 40 歳頃より肌荒れが気になり、ビタミン C 及びビタミン B6 含有サプリメントを服用している。5 年前に友人より「女性は鉄分が不足がちなので鉄分含有サプリメントの服用が良い」と勧められ服用している。
2 年前に歩行時につまずくことが増え、かかりつけ医から紹介されて市民病院を受診したところ、初期のパーキンソン病と診断され、処方 1 による治療が開始された。
しかし、最近手指の安静時のふるえや動作のぎこちなさが目立つようになり、処方 2 が追加された。
処方 1 、処方 2 とも、同病院の薬剤部で調剤された。
| プラミペキソール塩酸塩錠 0.5 mg | 1 回 2 錠( 1 日 6 錠) |
| 1 日 3 回 朝昼夕食後 14 日分 |
| レボドパ 100 mg ・カルビドパ配合錠 | 1 回 1 錠( 1 日 3 錠) |
| 1 日 3 回 朝昼夕食後 14 日分 |
問248
処方 1 及び 2 の薬剤について病院薬剤師がこの患者に対して説明する内容として、適切なのはどれか。 2 つ選べ。
- 処方 2 の薬剤の作用を減弱させるため、ビタミン C 含有サプリメントの服用を避ける。
- 処方 2 の薬剤の作用を増強させるため、ビタミン B6 含有サプリメントの服用を避ける。
- 処方 2 の薬剤の吸収を低下させるため、鉄分含有サプリメントの同時服用を避ける。
- 処方 2 に含まれる薬物の血中濃度を測定するため、来院当日は絶食する。
- 処方 1 と処方 2 の薬剤の併用により突然眠気が出ることがあるため、危険を伴う機械の操作は避ける。
問249
患者はその後、この治療を 7 年間継続したところ、wearing-off 現象が見られるようになった。この現象を改善する薬物の作用機序として、正しいのはどれか。 2 つ選べ。
- ドパミン D2 受容体を遮断する。
- アデノシン A2A 受容体を遮断する。
- セロトニン 5-HT1 受容体を刺激する。
- セロトニントランスポーターを阻害する。
- カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)を阻害する。
問248:3, 5
問249:2, 5
解 説
問248
選択肢 1 ~ 3 ですが
レボドパとサプリメントの服用で注意すべき成分は鉄剤です。鉄とキレートを形成して吸収を低下させるため、同時服用を避けます。適切な選択肢は 3 です。
レボドパと鉄の併用注意について知らなかった場合は、「ベンゼン環の隣り合う位置に OH 基が 2 つあるため、鉄とはキレートを形成しそうである」という観点から判断できると良いです。
ビタミン C との併用は特に影響が知られていません。また、ビタミン B6 は DOPA 脱炭酸酵素の補酵素として働き、レボドパの脱炭酸反応を促進して作用を減弱させます。しかし本処方では、配合されているカルビドパが末梢の DOPA 脱炭酸酵素を選択的に阻害するため、本処方では併用可能です。
選択肢 4 ですが
レボドパの血中濃度測定のために絶食する必要はありません。選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 は妥当です。
ドパミン受容体刺激薬 (ドパミンアゴニスト) の副作用として、前兆のない強い眠気や突発的な睡眠がおきることがあります。
以上より、問 248 の正解は 3,5 です。
問249
wearing – off 現象は、薬効の持続時間が短くなる現象です。ドパミン受容体刺激薬、エンタカポンやセレギリンなどのドパミン分解酵素阻害薬や、ドパミン系とは別経路を介した アデノシン A2A 受容体遮断薬イストラデフィリンなどが wearing – off 改善に用いられます。
選択肢 1 ですが
レボドパの薬効持続時間短縮に伴い、ドパミン作用が減弱している状態であるため、D2 受容体遮断薬ではむしろ悪化します。D2 刺激薬が用いられます。選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 は妥当です。
イストラデフィリンが代表例です。
選択肢 3,4 ですが
本試験時点において、セロトニン受容体やセロトニントランスポーターが作用点であるような wearing – off 改善薬はありません。選択肢 3,4 は誤りです。
選択肢 5 は妥当です。
エンタカポンが代表例です。
以上より、問 249 の正解は 2,5 です。
類題 110-222223
https://yaku-tik.com/yakugaku/110-222/
参考 パーキンソン病の病態生理、治療薬、注意点
https://yaku-tik.com/yakugaku/bt-3-6-4/

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