問 題
45 歳男性。 20 歳から毎日飲酒し、40 歳頃から仕事のストレスのため飲酒量が増えていった。
約 1 ケ月前から家庭内トラブルで飲酒量が急激に増加し、数日前から全身倦怠感の増悪と幻覚が現れた。その後、精神科を受診したところ、アルコール依存症と診断され、そのまま入院となった。
入院中は断酒及び生活習慣の改善を実施し、入院 4 週間後にあたる本日、以下の薬剤が処方され、 1 週間後に飲酒試験が入院下で実施されることになった。
| ジスルフィラム末 | 1 回 0.1 g( 1 日 0.2 g) |
| 1 日 2 回 朝夕食後 7 日分 |
この患者又は家族に対する説明及び指導内容として、適切なのはどれか。 2 つ選べ。
- 飲酒試験における飲酒量は、入院直前と同量である。
- 入院中は、飲酒試験以外でアルコールを摂取しない。
- 今回の治療は、アルコールによる禁断症状を緩和することを目的にしている。
- 退院後の飲酒は、少量から始める。
- アルコールを含む化粧品の使用は避ける。
解 説
試験最後の方で集中力がなくなりつつある状況で解くことになると思うのですが、確実に正解したい問題です。
飲酒試験では、患者の平常の飲酒量の 1/10 以下の酒量を飲ませます。飲酒試験の結果発現する症状の程度により用量調整し、維持量を決めるための試験です。
選択肢 1 ですが
ジスルフィラム服用後に入院直前と同量を飲むと副作用が大きいことが想定されるため、妥当ではないと判断できるのではないでしょうか。選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 は妥当です。
アルコール依存症の治療原則は「完全断酒」です。アルコール依存症なので、試験以外で摂取しないという記述は当然ではないかと考えれば、妥当と判断できると思われます。
選択肢 3 ですが
ジスルフィラムは、アルコール代謝に必要なアルデヒド脱水素酵素のはたらきを阻害することで、アルコール摂取に伴う副作用を大きくする嫌酒薬です。つまり、アルコール摂取した時にすごく気持ち悪くする薬といえます。そのため「アルコールによる禁断症状を緩和することを目的」とする治療ではありません。選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 ですが
アルコール依存症と診断された患者なので、断酒すべき と考えられます。「退院後の飲酒は、少量から始める」という内容は不適切です。選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 は妥当です。
ジスルフィラムの服用中は、アルコールを含む化粧品の使用や食品の摂取を避けます。少量のアルコールでも体に強い不快な症状が出るためです。
以上より、問 344 の正解は 2,5 です。
ジスルフィラム関連 国試既出知識として
「セフメタゾールは、ジスルフィラム様作用を有するので、投与期間中に飲酒すると血中アセトアルデヒド濃度が上昇しやすくなる」を合わせておさえておくとよいです。

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