薬剤師国家試験 第110回 問10 過去問解説

 問 題     

ビンクリスチンの生合成前駆体となるアミノ酸はどれか。1 つ選べ。

  1. オルニチン
  2. チロシン
  3. トリプトファン
  4. フェニルアラニン
  5. リシン

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

ビンクリスチンは、微小管の機能を阻害する植物アルカロイド系の抗がん剤です。アルカロイドとは窒素含有化合物の総称で、塩基性を示します。

窒素が含まれた特徴的な部分構造として、ベンゼン環と N を含む5員環が縮合したインドール環が左端部分に見受けられます。従って、生合成前駆体となるアミノ酸はトリプトファンであると推測されます。

※ 選択肢のアミノ酸について、オルニチン以外の構造は基礎知識です。インドール環と類似構造のアミノ酸といえばトリプトファンと判断できると思われます。過去問で同内容が問われたこともあります。


以上より、正解は 3 です。

類題 107-10
https://yaku-tik.com/yakugaku/107-010/

参考 アミノ酸の構造、性質
https://yaku-tik.com/yakugaku/sk-4-3-1/


ちなみに
オルニチンの構造式は以下の通りです。

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