問 題
心筋の興奮と収縮に関する記述として、正しいのはどれか。2 つ選べ。
- 洞房結節に生じた電気的興奮は、心房内を伝わり房室結節を経て心室筋へと伝わる。
- 電位依存性 K+ チャネルの活性化により、心室筋に脱分極が生じる。
- 心室筋の脱分極に伴って増加した細胞内の Ca2+ がトロポニンに結合することによって、心室筋が収縮する。
- 心室筋の脱分極によって、P 波が心電図に記録される。
- 心拍数を増加させる心臓血管中枢からのシグナルは、迷走神経を介して伝わる。
正解.1, 3
解 説
選択肢 1 は妥当です。
ペースメーカーとして自律的に興奮するのが、右心房上部の洞房結節です。
選択肢 2 ですが
心室筋の脱分極に対応するのは、心電図の QRS 波部分です。これは Na+ チャネルの開口 (活性化) によるものです。「K+ チャネル」ではありません。選択肢 2 は誤りです。
参考:心電図イメージ
選択肢 3 は妥当です。
心室筋収縮についての記述です。
選択肢 4 ですが
心室筋の脱分極と対応するのは QRS 波です。P 波ではありません。選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 ですが
心臓血管中枢は 延髄にあります。中枢から 心拍数を増加させるシグナルを伝達するのは 交感神経系です。
一方、迷走神経についてですが「採血等で、迷走神経反射 (迷走神経系の一部が活性化) による一時的血圧低下等でめまいや失神がおきる」事例を想起できるとよいです。迷走神経系は副交感神経系に属します。
従って「心臓血管中枢からのシグナルは、迷走神経を介して伝わる」わけではありません。選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 1,3 です。
参考 心臓の機能と構造
https://yaku-tik.com/yakugaku/sk-1-5-1/

コメント