薬剤師国家試験 第110回 問164 過去問解説

 問 題     

脂質異常症治療薬に関する記述として、正しいのはどれか。2 つ選べ。

  1. アトルバスタチンは、3 – ヒドロキシ – 3 – メチルグルタリル CoA (HMG – CoA) 還元酵素を阻害して、肝細胞の低密度リポタンパク質 (LDL) 受容体を増加させる。
  2. コレスチミドは、転写因子 SREBP – 1c の活性を抑制して、トリグリセリドの合成を抑制する。
  3. プロブコールは、小腸コレステロールトランスポーターを阻害して、腸管からのコレステロール吸収を抑制する。
  4. ベザフィブラートは、ミクロソームトリグリセリド輸送タンパク質 (MTP) を阻害して、超低密度リポタンパク質 (VLDL) の産生を抑制する。
  5. ニコモールは、ニコチン酸受容体を刺激し、脂肪組織における脂肪分解を抑制して、肝臓への遊離脂肪酸の動員を減少させる。

 

 

 

 

 

正解.1, 5

 解 説     

選択肢 1 は妥当です。
スタチンについての記述です。


選択肢 2 ですが

コレスチミドは、陰イオン交換樹脂です。転写因子 SREBP – 1c の活性を抑制するわけではありません。選択肢 2 は誤りです。


選択肢 3 ですが

プロブコールは、肝臓においてコレステロールの異化排泄を促進するほか、抗酸化作用を示します。小腸コレステロールトランスポータを阻害するわけではありません。選択肢 3 は誤りです。


選択肢 4 ですが

ベザフィブラートは、フィブラート系薬です。PPAR α に結合して活性化させることで結果として、中性脂肪を低下させます。ミクロソームトリグリセリド輸送タンパク質 (MTP) を阻害ではありません。選択肢 4 は誤りです。


選択肢 5 は妥当です。

ニコモールについての記述です。


以上より、正解は 1,5 です。

類題 108-37
https://yaku-tik.com/yakugaku/108-038/

類題 106-37
https://yaku-tik.com/yakugaku/106-037/

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