薬剤師国家試験 第110回 問185 過去問解説

 問 題     

22 歳女性。不安を主訴に来院。高校 2 年の 3 月頃より、大学受験のストレスを感じるようになった。その頃から友人と一緒に食事をした際に、喉が詰まった感じで物を飲み込みづらくなったが受験のストレスと思って放置した。

大学入学後も、友人との外食の際に何度か同様の症状が出現し、次第に人に見られている気がして手が震えるようになり、友人と遊ぶこともできなくなった。

就職が決まり、今後仕事に支障がでるのではないかと心配し、内科を受診したが身体所見や神経学的所見に異常はないため、精神科を紹介された。

精神科での診察で質問に対して的確に回答し、抑うつ症状は認められなかった。自宅では普通に食事はできる。自分では気にする必要はないと理解しているが、なぜ、外食時にはこんなに緊張して食事ができなくなるかわからないという。

この患者の治療薬として適切なのはどれか。2 つ選べ。

  1. パロキセチン
  2. 炭酸リチウム
  3. エチゾラム
  4. ハロペリドール
  5. オランザピン

 

 

 

 

 

正解.1, 3

 解 説     

選択肢 1,3 は妥当です。
本症例は不安障害の一種と考えられます。抗不安薬の Bz 系薬物や SSRI が治療薬として適切です。パロキセチンは SSRI、エチゾラムは Bz 系薬物です。


選択肢 2 ですが

炭酸リチウムは、躁病・躁状態治療剤です。本症例において、躁状態は見られません。選択肢 2 は誤りです。


選択肢 4 ですが

ハロペリドールは、統合失調症の陽性症状を改善する薬です。本症例において、統合失調症の症状は見られません。選択肢 4 は誤りです。


選択肢 5 ですが

オランザピンは、統合失調症や双極性障害に用いられます。本症例には不適切と考えられます。選択肢 5 は誤りです。


以上より、正解は 1,3 です。

類題 102-61
https://yaku-tik.com/yakugaku/102-061/

参考 神経症、心身症、薬物依存症、アルコール依存症の概説
https://yaku-tik.com/yakugaku/bt-4-1-4/

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