薬剤師国家試験 第110回 問334 過去問解説

 問 題     

68 歳女性。1 週間前より右下肢に腫脹が見られるようになり、かかりつけ医から大学病院を紹介され、受診した。下肢静脈超音波検査による血栓の確認及び D – ダイマーの上昇により、深部静脈血栓症と診断され、即日入院となった。

薬剤師は、患者が携帯していたお薬手帳より、現在の使用中の薬剤情報を入手した。また、入院後も服用継続の予定である。

(臨床検査値)

D – ダイマー 8.9ng/mL (基準値:1.0ng/mL未満)、eGFR 72mL/min/1.73m2

この患者に適切な深部静脈血栓症の治療薬はどれか。2 つ選べ。

  1. シロスタゾール
  2. クロピドグレル
  3. ワルファリンカリウム
  4. アピキサバン
  5. ダルテパリン

 

 

 

 

 

正解.4, 5

 解 説     

D ダイマーは、フィブリン溶解の副産物です。
D ダイマーの上昇は、最近の血栓存在を示唆します。

シロスタゾール、クロピドグレルは
「抗血小板薬」なので、不適切と考えられます。選択肢 1,2 は誤りです。


そして

「深部静脈血栓症」や「抗血栓薬」と来たら、まず連想するのはワルファリンではないでしょうか。しかし、お薬手帳からミコナゾールゲル経口用を服用しており、入院後も服用継続予定とあります。ミコナゾールはワルファリンと併用禁忌です。使用できません。選択肢 3 は誤りです。

ワルファリンの代替薬としては
ダビガトラン、◯◯キサバン などが考えられます。また、ダルテパリン、ダナパロイドといったヘパリン類似物質も抗血栓薬なので妥当です。


以上より、正解は 4,5 です。

類題 105-272
https://yaku-tik.com/yakugaku/105-272/

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