国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R4年 問91解説

 問 題     

細胞死に関する記述 ㋐ ~ ㋓ のうち、妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

㋐ プログラム細胞死やアポトーシスは、生体の中の正常な過程の一つとして生じている。

㋑ アポトーシスを起こした細胞には、マクロファージなどの食作用をもつ細胞が引き寄せられる。

㋒ プログラム細胞死の多くは、カスパーゼ ‒ 9 などが関わるアポトーシスの分子機構で遂行される。

㋓ ネクローシスでは、細胞内容物の漏出によって炎症反応が引き起こされることが特徴である。


1.㋐、㋑、㋒
2.㋐、㋑、㋒、㋓
3.㋐、㋑、㋓
4.㋐、㋒、㋓
5.㋑、㋒、㋓

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

㋐ は妥当です。
プログラム細胞死やアポトーシスは、生体における正常な過程の一つです。

㋑ は妥当です。
アポトーシスを起こした細胞は細胞表面にリン脂質を提示し、これをマクロファージや樹状細胞がシグナルとして認識、貪食します。

㋒ は妥当です。
アポトーシス反応の重要な調節因子として、カスパーゼ 3、カスパーゼ 8 等も知られています。

㋓ は妥当です。
ネクローシスは壊死とも呼ばれる、プログラムされていない細胞死の総称です。アポトーシスとネクローシスの違いとして、炎症反応の有無があります。


以上より、正解は 2 です。

類題 H27no80 アポトーシスの検出
https://yaku-tik.com/yakugaku/km-27-80/

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