薬剤師国家試験 第100回 問7 過去問解説

 問 題     

非共有電子対(孤立電子対)がsp2混成軌道に収容されているのはどれか。1つ選べ。

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

選択肢 1 ですが
HC ≡ N のように、C-N 結合が三重結合になっています。よって、窒素原子の非共有電子対は sp 混成軌道となります。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は正しい記述です。
フランは芳香族化合物です。芳香族性を持つということは、π電子系に含まれる電子の数が 4n+2 (この問題では6)なので、2つの二重結合で 4 電子、あとの2つは酸素原子上にある非共有電子対がこれに該当します。よって、酸素原子上の 2 対の非共有電子対のうち1対は sp2 混成軌道となります。

選択肢 3 ですが
ベンゼン環部分は sp2 混成軌道となっていますが、非共有電子対のある窒素原子は関係ありません。窒素原子についている非共有電子対は sp3 混成軌道となります。

選択肢 4 ですが
ピロールもフラン同様、芳香族化合物です。しかし、こちらは窒素原子と水素原子をつなぐ共有電子対が sp2 混成軌道に入っているため、窒素原子上の非共有電子対は p 軌道に入ることになります。

選択肢 5 ですが
窒素原子に 3 つの置換基と 1 対の非共有電子対があるだけなので、これは sp3 混成軌道となります。

以上より、正解は 2 です。

コメント