国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R3年 問52解説

 問 題     

抗アレルギー薬に関する記述 ㋐ ~ ㋓ のうち、妥当なもののみを挙げているのはどれか。

㋐ モンテルカストは、ロイコトリエン受容体に拮抗して抗アレルギー作用を示す。

㋑ ヒスタミン H1 受容体に拮抗するフェキソフェナジンや d ‒ クロルフェニラミンは、ジフェンヒドラミンと比べて抗ヒスタミン作用が強く、眠気などの副作用も強い。

㋒ スプラタストは、トロンボキサン A2 の合成を阻害して抗アレルギー作用を示す。

㋓ オマリズマブは、血中の遊離 IgE と結合することで、肥満細胞や好塩基球などが有する高親和性 IgE 受容体と IgE が結合するのを阻害する。


1.㋐、㋑
2.㋐、㋓
3.㋑、㋒
4.㋑、㋓
5.㋒、㋓

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

㋐ は妥当です。
モンテルカストは、LTC4 , LTD4 受容体を遮断します。

㋑ ですが
フェキソフェナジンとジフェンヒドラミンを逆にすれば妥当な記述です。㋑ は誤りです。

㋒ ですが
スプラタストは、Th2 サイトカイン阻害薬です。Th2 細胞の IL-4、IL-5 産生を抑制します。又、肥満細胞からのケミカルメディエーター遊離抑制作用も持ちます。トロンボキサン A2 合成阻害約ではありません。㋒ は誤りです。

㋓ は妥当です。
オマリズマブ(ゾレア)は、難治性喘息治療薬です。ヒト化 ヒト IgE モノクローナル抗体です。IgEと受容体の結合を競合的に阻害し炎症細胞の活性化を抑制します。


以上より、正解は 2 です。

参考 薬理学まとめ アレルギー治療薬
https://yaku-tik.com/yakugaku/yr-3-6-3/

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