薬剤師国家試験 第108回 問189 過去問解説

 問 題     

ウイルス性肝炎に関する記述として、正しいのはどれか。2 つ選べ。

  1. 急性期に黄疸が認められることはまれである。
  2. A 型肝炎ウイルスは経口感染する。
  3. B 型肝炎ワクチン接種により、HBs 抗体検査は陽性を示す。
  4. C 型肝炎は、ワクチン接種により予防することができる。
  5. C 型肝炎よりも A 型肝炎の方が肝硬変に進展しやすい。

 

 

 

 

 

正解.2, 3

 解 説     

選択肢 1 ですが
急性ウイルス性肝炎において、しばしば黄疸が見られます。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2,3 は妥当です。
A 型急性肝炎の主な原因は、主にカキなどの魚介類の摂取による経口感染です。

選択肢 4 ですが
C 型肝炎について、本試験時点で、ワクチンはありません。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
A 型肝炎は、ほとんど自然治癒する上、一度感染すれば終生免疫を獲得します。劇症化しなければあまり恐れる必要がない疾患です。このことから、少なくとも「C 型よりも A 型の方が進展しやすい」というわけではない、と判断できるのではないでしょうか。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 2,3 です。

参考 病態・薬物治療学まとめ 肝炎、肝硬変の病態生理、治療薬、注意点

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