薬剤師国家試験 第108回 問177 過去問解説

 問 題     

界面に関する記述のうち、正しいのはどれか。2 つ選べ。

  1. 固相-気相界面が固相 – 液相界面に置き換わることを吸着という。
  2. 溶液における表面吸着は、Gibbs の吸着等温式で表される。
  3. 液滴の接触角が小さい固体表面ほどぬれやすい。
  4. 錠剤は、拡張ぬれにより崩壊する。
  5. 表面張力測定法には、毛管上昇法、円環法及び沈降法がある。

 

 

 

 

 

正解.2, 3

 解 説     

選択肢 1 ですが
界面における濃度差が生じる現象が吸着です。相が置き換わる現象ではありません。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は妥当です。
表面吸着により、表面張力が生じます。溶質の濃度と、表面張力の関係が、Gibbs(ギブズ)の吸着等温式で表されます。

選択肢 3 は妥当です。
接触角が小さいとは、べたーっと液体が広がっている、ということです。ぬれやすいといえます。

選択肢 4 ですが
錠剤の崩壊は、錠剤内部に毛細管現象によって液体が入りこむことが必要です。そして、毛細管現象と対応するのは「浸漬ぬれ」です。拡張ぬれではありません。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
沈降法は粒子径測定法の一つです。表面張力の測定法ではありません。選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 2,3 です。

参考 製剤学まとめ 界面の性質

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